3月13日 【第6回】働き方改革関連法案特集⑥同一労働同一賃金

こんにちは、博多駅から徒歩5分のはかた駅前社会保険労務士法人です。

働き方改革特集も今回を含めあと2回となりました。
今週は「
同一労働同一賃金」についてです。

※前回までの記事はこちら
【第1回】働き方改革関連法案特集①残業時間の上限規制
【第2回】働き方改革関連法案特集②有給取得の義務化
【第3回】働き方改革関連法案特集③勤務間インターバル制度
【第4回】働き方改革関連法案特集④割増賃金率の猶予措置廃止
【第5回】働き方改革関連法案特集⑤産業医の機能強化

ここ1か月ほど、新聞で「●● 非正規社員の賃上げへ」という記事を見かける方もいらっしゃるかと思います。
2020年4月からの「同一労働同一賃金」制度導入に先がけて、大企業では非正規社員・正社員の同一労働に対する賃金体系の変更が始まっています。
中小企業は2021年4月1日からの適用となります
※参考:日本経済新聞「日通、非正規社員の賃金を正社員と同水準に」(2019年2月23日)

「同一労働同一賃金」とは、文字通り「同一の労働に対して同一の賃金を支払う」という制度になります。
厚生労働省によると、「同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。」と示されています。
簡潔に言えば、「もしあなたの会社で正社員とパート・契約社員が責任程度や業務内容が同じ場合には、同じだけの賃金を支払ってください」という趣旨になります。
国はこうした制度を定めることで、「正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消の取組を通じて、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できる」ようになることを目指しています。
(以上引用:厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ」より)

昨年末には、厚生労働省より制度の導入に向けた「同一労働同一賃金ガイドライン」が公表されました。
同一労働同一賃金ガイドラインを掲載するページでは、図解した概要も掲載されていますので参考にしていただければと思います。
概要には主な給与区分(基本給、手当、賞与等)について示されています。
手当を例に取りあげると、「正社員の所定労働時間を超えて同一の時間外労働を行った場合に支給される時間外労働手当の割増率」、「通勤手当・出張旅費」、「労働時間の途中に食事のための休憩時間がある際の食事手当」等については、同一の支給を行う必要があると示されています。
(以上引用:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」)
その他、基本給については「労働者の能力又は経験」「業績又は成果」「勤続年数」など、支払いの趣旨が様々であることを前提に、1つの企業内で同一のものとなるようにする必要があります。
特に手当については、過去裁判で争われて契約社員に対し支給を命じられた判例もございます。(ハマキョウレックス事件
ハマキョウレックス事件においては、物流会社の運転手に関する通勤手当や無事故手当等4つの手当について支払いを命じられています。(一部の手当については高裁に差し戻されて審議が行われました)

今一度基本給の支給金額や各種手当についての根拠・基準を見直すことで給与に関する基準が明確になり、同一労働同一賃金制度導入に向けた対応も可能になると考えられます。
非正規雇用の方の賃上げ等処遇改善のための取組みや非正規雇用から正社員へ転換する場合、要件を満たせば助成金を受給できるケースがございます。
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