こんにちは、社会保険労務士法人サムライズです。
先日、国際自動車事件の原告側から和解が成立した旨の会見が開かれた報道がありました。
会社側が労働者198人全員の要求を受け入れ、合計約4億円を支払うとのことです。
■国際自動車事件とは
タクシー乗務員として勤務していた原告が、歩合給の計算にあたり売上高の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨を定める賃金規則が無効であるとして会社側に未払い残業代の支払いを求めていた裁判です。
令和2年3月30日の最高裁判決では原告側の主張を認め、会社の賃金規則の定めが割増賃金の支払いとは言えないとして、残業代の金額を審理させるため高等裁判所へ差戻していました。
高等裁判所の審理で金額が確定する前に、会社側が未払残業代等を支払うとの和解が成立したようです。
■従業員と労務トラブルにならないために
①法律に則した整備と必要書類の保管を行う
⇒会社の労務管理において基本中の基本ではありますが、就業規則や労働条件通知書、賃金台帳等を法律にのっとった形で整え、きちんと保管をしておくことが重要です。特に賃金規則や労働時間は従業員の方も気にすることが多いため、細心の注意を払って整備を進めましょう。
②従業員の方に周知・合意をとる
⇒せっかく社内制度の整備を行っても、従業員の方が「知らなかった!」となればトラブルにつながるケースもあります。従業員に対し周知を行うことや合意を得ることも大切です。
法律に則した社内制度を整備するためには、私たち社会保険労務士を頼っていただくことも有効な手段の一つです。
社会保険労務士法人サムライズでは、社内の労務環境整備に関するご相談から実際の整備、労働保険・社会保険に関する諸手続代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問合せください。(お問合せはこちら)
《参考》
・日本経済新聞:歩合給算定で残業代を控除 最高裁「労基法趣旨沿わず」