10月4日 徹底解明!! 短時間労働者の社会保険適用の考え方

こんにちは、社会保険労務士法人サムライズです。
令和4年10月から短時間労働者の社会保険適用範囲が拡大されています。対象となる企業は、すでに社会保険の対象となっている従業員の総数が100人を超える規模の企業です。
社会保険未加入が発覚すると追徴や罰則の対象となるため、新たに対象となる企業はもちろんですが、今後事業拡大を見越している企業にとっても重要な改正です。

令和4年10月からは、勤務時間と日数が、正規雇用の従業員より4分の3未満でも、

①従業員数が101人以上の事業所(特定適用事業所)に勤務していること
②週の所定労働時間が20時間以上
③賃金の月額が88,000円以上
④雇用期間が2カ月を超えて見込まれること
⑤学生でないこと

①~⑤にすべてに該当する場合は被用者の社会保険の被保険者として加入が義務付けられます。

◆労働時間について
「週の所定労働時間が20時間以上」とは、あらかじめ契約書等で定められた労働すべき時間を指します。
時間外労働等で結果的に労働時間が一時的に20時間以上になった場合であっても、要件を満たすこととはなりません。
契約書上は週の所定労働時間が20時間未満であっても、業務の都合等により、実際の労働時間が連続する2カ月間において、週20時間以上労働することとなり、引き続き同様の状態が続いている、又は続くことが見込まれる場合は、
3カ月目から社会保険の適用になります。

【「所定労働時間」が週単位で定まっていない場合の算定方法】
1カ月単位で定められている場合
 1カ月の所定労働時間を4.34(52週÷12カ月)で割って算定します(※)。
 (特定の月の所定労働時間に例外的な長短がある場合は特定の月を除いて算定します。)

1年単位で定められている場合
 1年間の所定労働時間を52で割って算定します(※)。

◆1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動する場合
 その期間の平均により算定します。

《計算例》
●1カ月を4.34週(52週÷12カ月)として、週20時間の勤務をすると、1月の労働時間は何時間になるか?
 4.34週 × 20時間 ≒ 86.8時間
 ⇒87時間(この時間を連続して2カ月間超え、その状況が続く時は3カ月目の1日から社会保険適用と判断できる。)

※1年間の月数を「12」、週数を「52」として週単位の労働時間に換算するものです。

◆賃金について
月額8.8万円の判断については、基本給及び諸手当によって行われます。
ただし、次の賃金は算入されないこととなります。
①臨時に支払われる賃金(結婚手当等)
②1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)
③時間外労働に対して支払われる賃金、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)
④最低賃金において算入しないことを定められている賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)

なお、社会保険の取得時において報酬月額を決定するときは、月額8.8万円の判断に算入されなかった賃金(上記記載の手当)も含めて報酬月額を決定することとなります。

《計算例》
●1カ月を4.34週(52週÷12カ月)として、週20時間勤務の時に、月額8.8万円を超える時給はいくらか?

 88,000円 ÷ 4.34週 ÷ 20時間 ≒ 1,013.82円
 ⇒ 時給 1,014円

※参考:厚生労働省「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大

◆最後に
現在は100人を超える企業が対象となっておりますが、2年後の令和6年10月からは50人を超える企業も対象となります。
社会保険労務士法人サムライズでは、特定適用事業所・短時間労働者の適用についての申請代行、労務相談、各種助成金に関するご相談や申請代行等も承っております。
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