2月14日 こんな時どうする? 有給休暇の疑問にお答えします!!

こんにちは、社会保険労務士法人サムライズです。
従業員を雇い入れている御会社で有給休暇管理は必須業務であります。
有給休暇の管理をしていく中で、「こんな時はどうするの?」にお答えいたします!

◆退職届を出した従業員に新しい有給休暇を付与する必要はあるか?
退職日が確定している従業員であっても、出勤率の要件を満たしている限り、付与日が到来すれば新しい有給休暇を付与する必要があります。
また、退職することが決まっていること(残りの在籍期間が少ないこと)を理由に、付与日数を少なくすることもできないこととなっています。

◆退職日以降の有給休暇はどうなるの?
退職したときに未消化で残っている有給休暇は、退職と同時に無効になります。
有給休暇は、出勤日(出勤の義務がある日)の勤務を免除して、賃金を支払うという制度です。
退職日以降は「出勤日」がありませんので、有給休暇を取得することができないのです。
なお、退職日までの期間に対して有給休暇の請求を受けた場合の会社の時季変更権は、退職日以降の日を指定することはできませんのでご注意ください。

◆退職で無効となった有給休暇は買い取りが必要なのか?
退職する従業員から、未消化の有給休暇を買い取るよう求められたとしても、会社は応じる義務はありません。
有休休暇の買い取りは、原則禁止されているのです。
ですが例外として、従業員が退職する時点で消化していない有給休暇について、買取りが認められています。
有給休暇を買い取るかどうかは会社の判断になりますので、買い取り金額も会社が自由に決めることができます。

◆出勤率80%未満の従業員の有給休暇付与について
出勤率が8割未満の従業員について、有給休暇の要件を満たしていないため、有給休暇を与える必要はありません。
有給休暇の付与日数は「0日」となります。

【付与の例】

ある1年に8割出勤しなかった場合、その年分の有給休暇の付与日数は0日になりますが、継続勤務年数の進行が止まったり、前年に戻ってしまう訳ではなく、2年6か月の勤続年数はあくまで2年6か月間の勤続年数であるとして、取得日数(12日)が付与されることになります。

◆5日の取得義務について
年10日以上の有給休暇が付与される従業員について、付与された有給休暇の日数のうち5日は会社が時季を指定するなどして取得させる義務があります。

[1]私傷病により休職している従業員の対応
休職は、「出勤日」について労働義務が免除される取り扱いです。付与日以前から休職をしていて、付与日から1年間のすべてが休職となっていた(1年間の途中一度も復帰しなかった)場合は、有給休暇を取得させることが不可能であるため、5日の取得ができないとしても法違反に問われるものではありません。

[2]育児休業中の従業員の対応
育児休業も、休職と同様に休業を申し出た期間について労働義務が免除されるため、付与日から1年間のすべてについて、育児休業を取得しているようなときは、[1]と同様の考え方になります。

ただし、付与日から1年経過するまでに育児休業から復帰した従業員は有給休暇の取得義務の対象になります。
その際、復帰した日から付与日から1年経過する日までにある「出勤日」が5日に未満であり、年5日の年休を取得させることができないときは、取得できなくてもやむを得ないこととなります。

※参考:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説

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