3月25日 嘱託職員の雇止めを巡る訴訟について

こんにちは、はかた駅前社会保険労務士法人です。
先週の3月17日、雇止めを巡る訴訟について、「従来と同じ条件で契約更新の申込みをしたとみなされる」として、雇止め以降の賃金・賞与支払いを命じる判決が福岡地方裁判所で出されました。

1988年から博報堂の九州支社で経理等の業務を担当していた嘱託職員の女性(原告側)が契約の更新を申し入れたところ、その申し出を拒否され、2018年3月に雇止めを受けています。
同社は有期雇用契約を最長5年とする取り決めを新しく定めており、人件費削減等の理由から原告の女性の更新申込みを断り、雇止めとしていました。

この裁判でのポイントは「労働契約法」ですが、第19条では、「有期雇用契約が反復して更新されている状況で契約の更新等を会社が拒んだときに、客観的に合理的な理由で雇止めをしたと認められない場合は従前と同じ条件で契約更新の申込みを承諾したものとみなす」と定められています。
今回の裁判では、「契約更新の期待は法律上守られるべき」ものであり、「人件費削減」といった一般的な理由では雇止めを認められないと判断されました。

会社で有期雇用契約の従業員を雇っており、契約更新が続いている場合、無期雇用や正社員への転換等を行うことも適切な対応の1つになります。
有期契約の従業員を無期雇用や正社員へ転換する場合、要件を満たせばキャリアアップ助成金を受けられるケースがございます。

はかた駅前社会保険労務士法人では、有期雇用契約の従業員の労務管理に関するご相談やキャリアアップ助成金の申請代行等も承っております。
小さなご相談もぜひ一度お問合せください。