こんにちは、社会保険労務士法人サムライズです。
近年、『働き方改革』の推進やコロナ渦の影響により、テレワークやフレックスタイム制といった柔軟性の高い勤務を認める企業が増えています。
今回は「フレックスタイム制」について、紐解いていきます!
◆フレックスタイム制とは?
フレックスタイム制とは、あらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度です。
労働者は仕事と生活の調和を図りながら効率的に働くことができます。
◆コアタイム
フレックスタイム制では、労働者が勤務する時間を決めることができます。しかし、完全に自由にしてしまうと社内での業務の連携や、取引先とのやりとりなどに影響が出てしまうことがあるでしょう。
そのため、フレックスタイム制では労働者が労働時間を自由に決められる時間帯と、必ず勤務をする時間帯に分けることができます。必ず勤務をしなければいけない時間帯のことをコアタイムと言います。
◆フレキシブルタイム
コアタイムと逆に、従業員が労働時間を自由に決められる時間帯のことをフレキシブルタイムと言います。フレキシブルタイムの長さは設定することができ、コアタイムを設けず、全ての時間をフレキシブルタイムとすることも可能です。
ただし、一定期間内(例えば1カ月毎)に勤務しなければいけない総労働時間(上限時間)を設定するため、全く勤務しないということはできないようになっています。
◆導入にあたり
(ⅰ)就業規則等への規定
フレックスタイム制を導入するためには、就業規則その他これに準ずるものにより、始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨を定める必要があります。
(ⅱ)労使協定で所定の事項を定めること
①対象となる労働者の範囲
②清算期間(最大3カ月)
③清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)
④標準となる1日の労働時間
⑤コアタイム(※任意)
⑥フレキシブルタイム(※任意)
◆運用として
①上限時間については、法定労働時間の範囲内で、会社で任意に設定することができる。
②時間外労働は1日及び1週単位では判断せず、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間となる。
③対象労働者が年次有給休暇を1日取得した場合には、その日については、標準となる1日の労働時間を労働したものとして取り扱う。
④事前にシフト等で指示することが出来ない。
⑤各人の出退勤予定時間を、事前に届け出る、各人でボードに記入する等で報告させることは可能。
◆フレックスタイム制の効果
1.残業時間の改善:仕事が少ないときには勤務時間を減らし、仕事が多い日にその時間をあてることができるので、残業時間の改善にも繋がります。
2.効率よく仕事ができる:仕事に合わせて勤務時間を調節することができるため、無駄な勤務時間をなくすことができ、効率良く仕事を進めていくことができます。
3.人材確保に繋がる:自分で勤務時間や仕事量、流れなどを自己管理できることが求められるため、優秀な人材の確保に繋がります。
※参考:厚生労働省「フレックスタイム制の分かりやすい解説」
※参考:厚生労働省「フレックスタイム制の導入について」
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